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ポルコの草闘テニス日記 一匹の豚の戦いの記録である・・・

ポルコ
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~限界突破~
02/01 19:46
~エレガント~
01/26 05:37
~フェラーリのごとく…
01/25 16:27
~ポークカレー~
01/24 19:01
~王子~
01/23 21:19

~限界突破~

  だいぶ強くなってきたようだ。一日置きだがトレーニングはしている。そろそろ挑戦してもいい頃だ。外は強い風が吹き荒れ、窓がギシギシと音をたてている。 ようやく馴染んできた茶色の革のジャケットをはおり、おれはトシとKJを呼ぶことにした。


 テニスのことではない。カレーのことである。はじめは2辛しか食べられなかったおれが、ようやく10辛にたどり着こうとしていた。毎回1辛ずつグレードをあげていき、今は8辛まできた。


 なぜおれが、こんなバカげたことに挑戦することになったのか。思えばトシやKJとの出会いが始まりだった。

 あいつらはいつも競い合っている。しかも端からみればくだらないことに。先日は、幅の小さな階段を一段飛ばしすることなく、どちらが速く降りられるかを争っていた。

その前はしゃぶしゃぶをどれだけ食べられるか。おれも付き合わされ、三人で新記録を目指してしこたま食わされた。次の日の夜まで腹が空くことがなかったばかりか、おれは当分しゃぶしゃぶを断つことを心に誓った。



こどものように限界をつくらず、バカなことに挑戦する。あいつらが少し羨ましく感じる。



集合をかけ、三人が集まった。

“ついにあの店を制覇するときがきたようだな。 この店で一番辛いカレーを3つだ  そう言ってやろう。三人が食べ終えたとき  もうあの店に用はねぇ” トシはそう言うと、店に向かって歩き出した。




~大会結果~

1月27日 王子

ぶた・KJ 予選 6-2 4-6 4-6 
1勝2敗 予選敗退

トシ・ひろし 予選 6-4 3-6 1-6
1勝2敗 予選敗退

情けねぇ 散々な結果だ。 草がこんなにレベルが高いとは正直思わなかった。
ただ4-6で競った相手がトーナメント決勝まで進んだことが、まだ救いだ。

2月3日 南行徳

目指すは予選突破だ。

 
日記 | 投稿者 ポルコ 19:46 | コメント(1)| トラックバック(0)

~エレガント~

 “27日の試合はお前らが優勝しろ。 3日はおれが勝つから ” 7年物のプリンスのグラファイトを右手で器用にクルリと回しながらトシはそう言った。

“3日? なんの事だ。 聞いてないぞ、そんな話” 27日の試合は以前に聞いていたが、3日は聞かされていなかった。おれにも予定がある、急にそんなことを言われても勝手がつかない。

“きのう申し込んだ。場所は南行徳だ  しっかり準備しとけよ” そう言うとトシは、HOPEを一本取り出し火をつけた。常日頃からこいつらには、タバコは体力が落ちるからやめろと言ってある。おれが文句を言おうとするのを遮り、トシはこうつづけた。

“美しく 華麗に そして魅力的に  そう勝たなければ そうだ、エレガントだ オシムだ 遠藤だ” 

おれたちチームの代表であるトシは、プレーに対して美学があり、自分を例えるとき必ずこのセリフを言う。

なぜオシムか 彼いわくオシムは本当はエレガントが大好きであり、常に模索している。 まさに自分だと 

遠藤  言わずと知れたサッカー日本代表選手であり、ファンタジスタである。 これもまた自分であると

さらにつづける


“去年の秋からいろいろ試合に出たが 足りない所も 通用する所もよくわかった。しかし今は勝ちにこだわっていても未来はない。自分の信念に基づき試合をしなくては。試合数をこなしどんなレベルでもおれらのカラーを出す。そうエレガントに”


相変わらずトシはプロみたいな事を言いやがる。ただおれたちは実際アマチュアなのだ。アマは勝ちが一番重要視される。観客が喜ぼうが落胆しようが知ったことではない。どう勝ちにこだわるか、それが上に行く近道だ。


ただ そういうおれが、美しく魅力的なプレーをするトシとKJのコンビの1番のファンなのだが。
日記 | 投稿者 ポルコ 05:37 | コメント(0)| トラックバック(0)

~フェラーリのごとく真紅に~

 KJはものすごいスピードでカレーを口に運ぶ。みるみるうちにカレーが無くなっていき、それと伴いKJの額からは、汗がしたたり落ちる。 

カレーが残り半分になると、顔中が・・・というか首まで汗びっしょりだ。トシがKJの汗を、フキンペーパーでぬぐい始めた。一枚二枚と次々に消費されていく。

KJが食い、トシがぬぐう。  さすがおれたちの最強ペア。息はぴったりである。

食べてるあいだ、おれたちは一言もしゃべらなかった。しゃべる余裕はまったくない。息を吸う振動でさえ、刺激になり、口と喉がしびれる。速さだ、速さが肝心なんだ みなこの言葉を一心に食べ続けた。


5分後ついに完食したKJは言う


“楽勝でした。もうこの店でおれを満足させるカレーはありませんね”


KJの顔は真っ赤である。 風呂あがりの少年のように 猿のお尻のように 夕焼けのように  あの日のKJは誰よりも赤かった。
日記 | 投稿者 ポルコ 16:27 | コメント(0)| トラックバック(0)

~ポークカレー~

  入口の前に立つと、KJは赤のダウンジャケットを脱いだ。
店内には客が4,5人程いる。

“今日もやってやりますよ” KJはそういうと勢いよくドアを開けた。

一番奥にあるいつものテーブル席に座る。メニューはもはや見ない。

“この店で一番辛いカレーを持ってきてくれ” 店員にそう告げるとKJは水を一口飲み、カレーのコツを話し始めた。

“カレーはとにかく、速さが一番っすね。水には手をつけず一気に食す。よく噛んで食べてたら辛さがまわって、くちびるが腫れ上がってしまうから”

 KJが食べるのは10辛である。 通常の辛さの24倍。 とてもじゃないがおれには食えない。“4辛なんてカレーの王子様ですよ”とKJは言うが、10辛はさすがに挑戦できない・・・。

 厨房をのぞくとまた来たかと言った表情で、店員がカレーの中に大量の何かを入れ、かき混ぜ始める。うっすら店員が半笑いなのは、気のせいであろうか。

店員が、ミートソースのような色のするKJのカレーを運んできた。店員とKJのカレー対決がいよいよ始まろうとしていた。


日記 | 投稿者 ポルコ 19:01 | コメント(0)| トラックバック(0)

~王子~

  次の仕事の依頼だ。  

  1月27日 場所は王子 ダブルス 

リーグ戦の後、上位2ペアが決勝トーナメント進出

代表のトシとひろしが組み、おれはKJと組む事になる。前回の反省も踏まえ、今度こそ優勝したいものだ。


日記 | 投稿者 ポルコ 21:19 | コメント(0)| トラックバック(0)

~遺伝子を問う~

  アスファルトが黒く滲みだしている。どうも最近バイクの調子がわるい。マフラーをつたってエンジンオイルが地面に滴る。そろそろこいつを修理に出さないといけねぇようだ。

バイクを道の脇に止め、ペガサスに入る。

“よっ待ってたぜブタさん、この前はご苦労さん。 惜しかったな 優勝狙える大会だったよな~” 
チームの代表であるトシが手を上げ、陽気に声をかけた。 どうやら一人を除き大会のメンツは全員揃っているようだ。


“KJはどうした?こないだの試合の立役者じゃねぇか あいつ抜きには祝うこともできねぇぞ” 
KJはうちのエースだ。速さ、技、身のこなし、すべてが華麗で文句のつけようがねぇ。俺もあいつには一目おいている。


“KJかぁ~、あいつは今日は仕事で来れねぇって” 残念そうにトシがこたえた。


 
  ひろしがさっきから、しきりにあたまをさすり食い入るように新聞を見ている。

“どうした、ひろし? さっきから何、真剣な顔して読んでんだよ” 

“おれ大丈夫かな・・・やろうかな でもなぁ~” ひろしはまた考え込む

“なに言ってんだよ、お前。 かしてみろ” おれは強引にひろしの新聞を取り上げた。

           記事

あなたが将来はげるリスクを遺伝子で診断します-。米バイオ企業ヘアDX(カリフォルニア州)はこのほど、世界初の個人向け診断サービスの提供を始めた。
 ネットで申し込み、口内をこすっためん棒を同社に送ると、分析結果をサイト上で確認できる。X染色体に特定の変異体があると95%以上の確率で40歳までに壮年性脱毛症となるなどと、遺伝子を分析すれば高精度ではげるリスクを予測できるという。診断料は149ドル(約1万6000円)と手ごろ。もちろんテストを受けた人の秘密は厳守だ。 



そいうことか。  日ごろからひろしは薄げを気にし、この手の話には敏感だ。

“どうしよう~頼んだ方がいいかな?”不安げにひろしは聞いてくる

“そんなもんやったってしょうがねぇだろ。 わかったって、どうする事もできねぇんだ。ハゲたら、ハゲたでそんとき考えたらいいんだよ 気にすんな、ひろし ”

“そうだよな そうだよな でもな・・・”

悩めるひろし。 ブタのおれには関係ない。

日記 | 投稿者 ポルコ 17:01 | コメント(0)| トラックバック(0)

~トンだ試合~

 会場の松木公園に、八時に到着した。公園からは富士山の頂上が山あいから白くかすめ見てとれた。
良い場所だ。

集合の八時二十分になると続々とエントリー者があつまる。30、40代、そして学生と様々な層だ。共通してみな自信ありげに優勝を狙っている。

12チーム、4つに分かれてのリーグ戦。各リーグ上位2チームが決勝へ進める。ダブルス2本勝負。1勝1敗で並んだ場合3本目はペアを代えてタイブレークで勝負を決めるといった方式だ。

リーグ戦初戦、6-3,6-2  勝利

2戦目 3-6、7-6、 タイブレーク4-7  敗戦
しくじった、おれ達にはまさかの敗戦だ。取りあえず本戦には進めるのだから良しとするか。

そして本戦

初戦 6-3、7-6   勝利
結構苦戦 なかなかやるじゃねぇか。あぶねぇ、あぶねぇ。

そして準決勝 0-6、6-7 
負けた・・・。決勝に向けてのエース温存策が裏目にでちまった。まあ、おれららしいか。

3位決定戦 なんだよリーグ戦で負けちまった相手じゃねーか。ちょうどいい今度はしっかり勝たねぇとな。

6-2,6-2 勝利

結果3位。十分だ 優勝したら、ブタに真珠ってもんだ。


日記 | 投稿者 ポルコ 20:51 | コメント(0)| トラックバック(0)

~試合の朝~

 午前五時、窓の外を見るとまだ暗闇が広がっている。電話がなる 仲間からの目覚めのコールだ。

“おきてるか?六時には出発するぞ。準備ができたらペガサスの前に集合だ”

“あぁわかった。 にしても朝早いってのに、今日はやけにオトコ前の声だな” 

“ねむれなかった 一晩中だ” 仲間のはっきりとした口調に、ほんの少し疲れが混じった。

電話を切ると急いで仕度の準備を始めた。ラケットを取り出し、Bow Brandの白の新しいグリップテープに巻き直す。いろいろグリップは試したが、ウェット感が良くこれが一番おれの手に馴染んだ。白は汚れが目立ちやすいが、それでいい。ボロボロになるまで使う奴もいるが、グリップは手に接触する大切な部分。そんな鈍感なこと俺にはできねぇ。
汚れたときが、替えどきってものだ。

仕度を終え、ペガサスに向かった。
日記 | 投稿者 ポルコ 18:22 | コメント(0)| トラックバック(0)

 ~ペガサスの誘い~

 試合は二日後。結局ランニングさえしなかった。そもそもなんだ近頃の冷え込みようは! こんな寒さじゃ走る気もしねぇ。まったくブタ冷えする寒さだぜ。底冷えの間違いじゃねぇかって?
ぶたの世界はこれでいいんだ。

電話がなった。

“よぉブタさん、これからみんなで試合の作戦を話し合うんだがこっちに来れないか”

こっちてのは駅近くの喫茶店ペガサスのことだ。奴らのタマリ場だ。女の好みや、どうしたら遊ぶ金が楽に稼げるかを、まわりも気にせず騒ぐうとましい若者もいない。ゆっくりと時を気にせずいれる憩いの場だ。

“今からだとバイクで飛ばして20分弱か。わかった、8時には着く” 

電話を切ると、半年前に購入した黒のゼファーに跨った。
日記 | 投稿者 ポルコ 04:32 | コメント(0)| トラックバック(0)

~豚の角煮と早起きは三文の徳~

ある朝、突然の電話。起こされた俺は半ば不機嫌に受話器を取った。

“早くにわるいな。ブタさんよ、あんたにちょっと頼みたい仕事があるんだが”

“安い仕事はやらねぇぜ”とは言ったものの、堕落した正月を送っていた俺は身体を動かしたくてたまらなかった。

1月20日松木公園での団体戦参加の要請だ。予選リーグから決勝トーナメントまであるハードな内容ではあったが、俺は二つ返事でこの依頼を承諾した。
痩せても枯れても豚でいたかったからだ。
日記 | 投稿者 ポルコ 07:05 | コメント(0)| トラックバック(0)

序章

古びた一冊の日記 そこには豚の戦いの日々が綴られていた・・・
日記 | 投稿者 ポルコ 07:03 | コメント(0)| トラックバック(0)
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